中古マンションの成約価格は前年比6.29%減、2026年9月のレインズ動向
不動産流通推進センターが指定流通機構の物件動向(令和8年9月)を公表。既存マンションの成約価格は4,024万円で前年同月比6.29%減、件数は19.24%減でした。数字の読み方も整理します。
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公益財団法人不動産流通推進センターは2026年10月13日、「指定流通機構の物件動向(令和8年9月)」を公表しました。全国の既存(中古)マンションの成約価格は4,024万円で前年同月比6.29%下降し、2か月連続のマイナスでした。既存戸建住宅の成約価格は2,727万円で、前年同月比1.15%上昇し、2か月連続のプラスです。成約件数は、既存マンションが6,522件(前年同月比19.24%減)、既存戸建が5,064件(同11.28%減)でした。
中古住宅の購入を考えている人や、いま持っている住まいの売却を検討している人にとって、実際に成約した価格の動きを知る材料になります。この記事では、公表資料をもとに、中古マンション・中古戸建の成約状況と、数字を読むときの注意点をまとめます。
ニュースの概要
この調査は、全国の指定流通機構(レインズ)に売買の成約報告があった取引のうち、既存住宅に関するデータを不動産流通推進センターが集計したものです。令和8年9月の全国の既存マンションについて、公表資料は、成約価格が前年同月比で6.29%下降して2か月連続のマイナス、成約㎡単価が5.57%下降して2か月連続のマイナスと説明しています。専有面積は4か月連続のプラス、築年数は29か月連続のプラス、件数は7か月連続のマイナスです。
何が変わるのか
全国の既存マンション(2026年9月)
- 成約価格:4,024万円(前年同月比 −6.29%)
- 成約㎡単価:62.26万円(同 −5.57%)
- 専有面積:66.08㎡(同 0.03%)
- 築年数:28.52年(同 7.30%)
- 件数:6,522件(同 −19.24%)
全国の既存戸建住宅(2026年9月)
- 成約価格:2,727万円(前年同月比 1.15%)
- 建物面積:112.23㎡(同 −0.10%)
- 土地面積:197.97㎡(同 1.17%)
- 築年数:29.15年(同 2.97%)
- 件数:5,064件(同 −11.28%)
地域別の主な数字
公表資料の地域別の表では、既存マンションの首都圏は成約価格5,111万円(前年同月比 −5.67%)、件数3,452件(同 −22.84%)、近畿圏は3,129万円(同 −5.75%)、件数1,449件(同 −19.28%)、中部圏は2,356万円(同 −6.84%)、件数473件(同 −17.16%)でした。北海道は2,313万円(同 6.54%)、件数264件(同 9.09%)と、地域によって方向が分かれています。
既存戸建では、首都圏が4,155万円(同 5.91%)、件数1,623件(同 −15.51%)、近畿圏が2,239万円(同 −5.41%)、件数1,223件(同 −14.24%)でした。中国は1,710万円(同 16.72%)、四国は1,727万円(同 13.32%)と、前年同月比で大きく上昇した地域もあります。ただし、件数が少ない地域(たとえば既存マンションの北陸は39件で+41.48%、既存戸建の四国は70件)は、数件の取引の違いで平均が大きく動くため、注意が必要です。
読者への影響
マンションの購入を検討している人にとっては、成約価格が2か月連続で前年を下回ったことは、判断材料の一つになります。ただし、この数字は「同じ物件の価格が下がった」ことを示すものではありません。成約価格は、その月に成約した物件の平均で、物件の築年数や面積、立地の構成が変われば、平均も変わります。今回の資料では、既存マンションの平均築年数が前年同月より7.30%長く、29か月連続で延びています。このため、平均価格の下落には物件の構成の変化が影響している可能性もあります(資料では要因は分析されていません)。価格だけで相場を判断するのは避けるのが無難です。
売却を検討している人にとっては、成約件数の減少が気がかりな点です。既存マンションの件数は前年同月比で19.24%減り、7か月連続のマイナスです。戸建も、3か月ぶりにマイナスに転じました。ただし、件数はレインズに成約報告があった取引の数であり、市場全体の取引を表すとは限りません。また、地域や物件によって事情は大きく異なります。
住宅ローンの金利や、購入時の制度については、フラット35の10月金利は3.83%、現行制度で過去最高にの記事もあわせて確認してください。
確認すること
- 不動産流通推進センターの公表資料(PDF)で、自分が関心のある地域の成約価格と件数を確認する。
- 前年同月比だけでなく、過去のデータ(過去分の一覧も公開されています)で、数か月の推移を見る。
- 築年数・面積・エリアが近い物件の成約事例を、不動産会社に出してもらい、平均値ではなく個別の事例で比べる。
- 購入を考えている人は、自分の予算と住宅ローンの返済負担を、金利の変動も含めて試算する。
- 売却を考えている人は、複数の不動産会社に査定を依頼し、根拠(成約事例)を確認する。
筆者の見解
私見では、今回の既存マンションの数字は「価格の下落」よりも、「成約件数が7か月続けて減っていること」と、「成約物件の平均築年数が29か月続けて延びていること」を組み合わせて読むのがよいと考えます。平均の成約価格は、その月に売れた物件の構成で動くため、価格だけを見て市況の強弱を判断すると、構成の変化を取り違えるおそれがあります。個別の検討では、平均価格よりも、築年数や地域が近い条件での㎡単価の推移を見るほうが実態に近いと考えます。また、地域別の表には件数が数十件の地域も並んでいるため、前年同月比の大きさよりも件数の規模を先に確かめる読み方が、見落としを減らすと考えます。
出典(一次情報)
2026年10月13日時点の情報です。
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の設計・契約・税務・法律上の助言ではありません。制度や基準は改正されることがあるため、最新の内容は各公的機関の公式サイトや、専門家(建築士・税理士・金融機関など)でご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。